映画 Wood job
2014.06.02
先日、公開中の映画 W00d jobを観にいってきました。
映画の舞台になっていた三重県津市美杉町は全国的にも林業が盛んな地域で
当社が木材を買い付けにいく東海木材相互市場(飛島村木場)にも美杉産をはじめ
沢山の建築・土木材料になるあらゆる木材が運ばれ、大きな市場の倉庫に陳列され
毎週火曜には、私達、木材会社などがセリを行い買い付けます。
その後、木材は落札した会社まで運ばれ、その会社の倉庫で一時保管・乾燥され
新築やリフォーム・その他用途に応じた加工をしたものが現場や製品になるという流通順路をたどります。
この映画は私達、建築・建設関係に従事されている方をはじめこれからマイホームやリフォームを検討されている
方に是非観てもらいたい映画です。
家で使われている木材がどのように日本の山林で植栽され、 数十年にわたり手間をかけ育てられ、
いるのかが分かりやすく、コミカルに描かれています。
しかし、日本の林業の現状はというと、私の父であり当社現会長はいつも、
(山で働く林業や製材所の人は、原木を切れば切るだけ、原木を製材し商品にすればするだけ赤字の状況だ、
労働者も高齢化し職人減少の一途で、国産材を扱う我々としては何とか少しでも消費者にマイホームや・リフォーム工事の
際には国内産を使ってもらい、日本特有の杉やヒノキの良さをもっとPRしていかないと・・・・)が口癖です。
そんな折、昨年から会社ブログにも紹介している国産材を使用すると補助金がうけられる木材利用ポイント
が受けられる制度が実施されています。
わが社の物件でも、十数件の新築の申請やお客様にポイント受理ができ喜ばれています。
まだ申請件数は全国をみても、予定には達していませんがこの制度で、国産材・地域産材を見直すきっかけになっていると思います。
映画中に、(100年前の祖父の時代に植えた木を、今の俺たちが切っている・・・・・・)というセリフの通り
木の苗を植栽したり、間伐した人はその木が柱のような製品になり住宅の柱に使われるのを
みることはないのです。林業を仕事とされる方には今日・明日にエンドユーザーの声が届くのではなく
数十年後に価値ある柱となり仕事のカタチとなるのです。
このように長年にわたり、労力と手間をかけ大事に育てられた木の良さをもっとお客様に知っていただき
理解し使って、喜んでいただくことが私達の仕事だとあらためて思いました。
と同時に貴重な資源ある木を端材まで無駄のないように使い切ることを会社や現場で再度徹底したいと思いました。
国内産は値段が高いんでしょ?と懸念される方もみえるとおもいますが、本当にそうでしょうか?
日本の風土で育った木のキメの詰まった年輪・強度、耐久性や
香りは歴史上の建築物からもわかるとおり、日本建築の構造材や内装材に適した材料です。
その一例が、5月に引き渡しをした築100年近い古民家改修工事でした。
解体後、土台・柱・梁など取り換えた部材もありましたが、100年近く経った現在でもまだ日本産の
ヒノキの柱も栂梁も健全に残っています。
お施主様も先代や先々代から受け継がれたこの家をもう一度蘇らせたいという気持ちで決意され、その気持ちに
少しでも答えれるように間取りプランを提案し施工させてもらいました。
家も同じく世代を超えて生まれ変ったんだなと思いました。
これが、国産材を使用した長期における建物の価値であり安さではないでしょうか?
吉田